「公開ケース研究会」 研修部 吉田礼子
令和4年8月9日、小・中・高の教育関係者、地域の各団体や関係機関の方々64人が集まり「ケース研究会」をしました。コロナ禍のため、人数を半分に会場は広くとっての開催となりました。今回のケース研究では「少年Aが窃盗事件を起こすに至った背景には、どのような問題(要因)があるか」を考え、関わり方や予防策を見出すための意見交換をしました。
参加者からは、少年Aが、小学校時代には自信を持っていたサッカーだが、中学へ行き次第に自信を無くし勉強にも身が入らず非行に走るようになった要因は、家族、学校、友人、地域などそれぞれの人間関係が薄くなってきたことにあるのではないか、自尊感情がどんどん低くなり辛かったことだろう。誰か一人でも真剣に向かい合って本人を理解しようとしていれば、とどまれたのではないか。兄弟の内、兄が出来て弟が躓く(つまづく)などということはどこにでもある。どちらにも時間をとって行動を共にして愛情が伝わるように真剣に向き合うことが大切ではないか。など年齢も立場も多様な参加者から様々な角度からの意見が出されました。
最後に保護観察官から、「挫折」は重要な体験で乗り越えられるかどうかは周りの大人にかかっている。年齢や理解力、経験によって「ありがとう、助かったわ」などの言葉がけがそのまま伝わっていかないこともある。相手の特性を理解して本気の係わりを持つことが大切だ。などの助言があり、それぞれの立場で自分のできる行動を起こすことが大切であることを再確認できた研究会でした。
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