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執筆者の写真三田市保護司会

依存症は病気であり本人の心の弱さではない。正しい理解と思いやりの支援が回復への鍵   一般社団法人 神戸ダルク ヴィレッジ代表理事 精神保健福祉士梅田靖規 

更新日:2020年11月9日

一般社団法人 神戸ダルク ヴィレッジ

代表理事 精神保健福祉士

          梅田靖規

 神戸市中央区にある依存症リハビリ施設「神戸ダルクヴィレッジ」の代表理事をしております、梅田靖規です。兵庫県内で唯一の民間の薬物依存症の専門機関になります。

昨今は、芸能関係者の相次ぐ逮捕などあり、マスコミでは薬物依存について様々なことが話され、多くの正しくない情報によって、社会の人々に間違った偏見や誤解、負の烙印を植え付けてしまい、依存症者の社会復帰を大きく妨げてしまっております。

今から15年ほど前の社会では、実際に「依存症は治らない」と言われていました。実際に現在でも薬物使用による再犯率は減ってはおりません。しかし、現在では治療(ダルクや自助グループ)につながって継続していく事で、依存症者はサポートがあれば、社会の有用な一員になれる時代です。      

15年前と今では何が変わったのか?それは、十分ではないにしても、社会の様々な機関や支援者の方々が正しい知識と関わりを持っていただけるようになったからだとも言えます。 

私たちが今、薬物依存問題を抱え苦しんでいる人々にとって一番の問題ははっきり言って一つだけです。それは、「相談することができない社会」なのです。薬物の問題で困っていても相談できる人はいません。

 上司、家族、友人、親戚、先生…もし正直に薬物の問題を相談したらどうなるでしょうか?全てを失ってしまうでしょう。そんな社会が変わっていけば、薬物で命を落とす人や人生を諦めてしまう人やそれによって苦しむ家族もなくなっていくでしょう。正直に「助けてほしい」と言える社会が薬物依存症者の最大の治療薬なのです。  

昨今では青少年の間で最も問題になっている薬物は、市販薬や病院の処方薬の乱用です。これは違法ではありません。

しかし問題は、違法薬物だから刑罰を与えて懲らしめても意味がないという事でも、違法ではない薬物だから捕まらないという事でもありません。助けを求められる、偏見のない地域社会がないという事です。

 私たちはそんな助けの手を差し伸べる場所として活動しています。是非見学にきてください。

依存症はとても身近なもの

 スマートフォンや、ゲームなど、私たちの身近には様々な依存対象があります。それは仕事や勉強などの合間の息抜きとして利用されますが正しい使用方法を守らなければ乱用とても乱用や症になり危険です。

 乱用や依存症になると依存する対象に執着し大事な人間関係や居場所を失います。それはコントロール障害という疾病です。病気は根性では治りません。

心が弱いとか自己責任だとか突き放さず、正しい理解と支援があれば回復が可能です。

こんなにある依存の対象

物質への依存

アルコール・タバコ・薬物(違法薬物・処方薬・市販薬など)など

プロセスへの依存

ギャンブル・ダイエット・買い物・インターネット・スマートフォン・自傷行為・放火・窃盗・ゲーム・セックスなど



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