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執筆者の写真三田市保護司会

刑務所の出所者の保護について 神戸保護観察所 統括保護観察官 佐藤好行

更新日:2020年11月9日

私は,以前に2年間ほど,府中刑務所に人事交流に出ていたのですが,今回は,刑務所のことを書いてみようと思います。

 さて,府中刑務所は,累犯者や暴力団関係者,他の刑務所で問題を起こした者などを収容していることは,よく知られているところですが,同時に医療重点施設となっており,医療法に則って届け出をしている診療所が所内に設置されており,お医者さんも常駐しています。(外部診療はできないのが残念。)

 そのため,府中刑務所と言えば,荒くれ者が収容されているイメージが強い(間違いではありません。)ですが,実を言えば,様々な病気を持った人や65歳以上の高齢受刑者も数百名の単位で収容されています。

 出所者について,病気,身体や精神の障害,あるいは高齢などの理由で,出所後,行き先がなかったり,そもそも自力で歩いて出所できない人などもかなりの人数になります。

 ここ数年のことですが,精神保健福祉士や社会福祉士の資格を持った人を非常勤職員として採用しており,福祉関係の専門家として,福祉の相談や手続をしてもらっています。

 具体的には,介護認定や生活保護の手続,福祉施設や病院への入所・入院の手続などをした上で,福祉士や職員が施設等に連れて行ったりしています。後日,福祉施設等の職員から,寿命で死んでしまった,飛び出してしまったなどの連絡を受けることもありますが,「元気でやっている。」との連絡もあり,そういった場合は一安心です。ちなみに,このように出所時の保護をされる人は,これまで,福祉の保護を受けていなかった場合が多く,きちんと福祉のケアを受けることができていれば,違った人生を送ることができたのかもしれないと感じるところでして,適切な関与の重要性を痛感するところです。

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