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執筆者の写真三田市保護司会

地域社会と更生保護とのかかわり 神戸保護観察所長   生駒貴弘


三田市保護司会の皆様には、平素から、更生保護事業に多大なる御尽力をいただき、誠にありがとうございます。

 本年㈣月に現職に着任し、さっそく当保護司会総会にも出席させていただきました。驚きましたのは、社会を明るくする運動作文コンテストの昨年の応募件数が、三田市だけで一、二五四点にも上っていることです。また、関係機関・団体との連携にも積極的に取り組まれていることもわかりました。想像ですが、三田市は近年の人口増加もあり、青少年の健全育成活動はとりわけ重要な課題と認識されているのではないかと思われます。常日頃から、犯罪や非行をした人とかかわる保護司の皆様が、地域と積極的にかかわっていただいていることにたいへん心強い思いを抱いております。

 こちらに赴任してきて、心配なのは、保護観察処分を受ける少年たちの身辺に大麻が蔓延していることです。最近、カナダで大麻が合法化され、これには複雑な事情があるようですが、インターネット上には様々な情報が蔓延しています。大麻に関しては、以前から「たばこより害が少ない」などの風説があり、少年たちが本気で信じていることがあります。もちろん、これは誤った情報であり、保護観察対象者の中には、大麻の常用により精神病症状を発症したり、ゲートウェイドラッグ(違法薬物の入り口)として覚せい剤など更に深刻な薬物依存に進んでいる場合も少なくありません。

 現在は、少年非行は減少してはいますが、我々更生保護関係者は、かつて、シンナーや暴走族の流行などを経験しています。少年は地域社会の空気に非常に敏感であり、気を許すと犯罪非行の魔の手は知らないうちに伸びてくるおそれがあります。

 更生保護活動は、単に保護観察対象者の立ち直り支援をするのみではなく、地域の安全安心を保持するために、地域と積極的にかかわっていくことが重要です。今後とも更生保護活動に皆様のお力添えを賜りますよう、よろしくお願いいたします。


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