ある受刑者の話
明治時代、何度も犯罪を繰り返したA男は、二度と犯罪をしないと誓って刑務所を出所しました。しかし、両親は既に亡くなっており、頼った親族にも冷たく追い返されてしまいました。A男は再び犯罪をすることを考えましたが、これまでお世話になった人たちを裏切り、迷惑をかけることができませんでした。居場所を失い、孤立したA男は、社会で生きていくことはできないと悟り、自ら命を絶ってしまいました。
“社会を明るくする運動”とは?
法務省が主唱する“社会を明るくする運動”は、すべての国民が、犯罪や非行の防止と立ち直りについて理解を深め、それぞれの立場において力を合わせ、明るい地域社会を築くための全国的な運動で、毎年7月を強調月間として実施されており、今年で73回目を迎えました。
今回も、地域社会に暮らすすべての人たちが、それぞれの立場で犯罪や非行のない地域づくりに関わる「地域のチカラ」を基に、街頭広報活動、講演会、青少年非行相談、親子ふれあい行事など、三田市をはじめ全国において様々な活動が展開される予定です。
犯罪や非行のない明るい社会へ
犯罪や非行のない明るい社会は、全ての人たちの願いです。これを実現するためには、望まない孤独や社会的孤立などの“生きづらさ”に寄り添い、人と人とが互いに支えあうコミュニティを築いていくことが重要です。
これを確実なものとするため、国は、令和5年度から9年度を期間とする第二次再犯防止推進計画を策定し、就労や住居の確保など7つの重点課題に対応した様々な取組を実施しています。
犯罪や非行から立ち直りを図る人たちが、A男のように孤立することなく社会に受け入れられ、新たな犯罪や非行を生み出さない社会の実現に向け、三田市民の皆様の引き続きの御理解と御協力を重ねてお願い申し上げます
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